歯の食いしばりについて
なぜ食いしばるのか
歯はごくわずかな変化にも敏感に察知します。
治療などで歯を少し削ったり、被せものの高さが少し高いだけでも咬み合わせが大きく変化したように感じます。
舌や口の中に小さな口内炎ができたときにも、ごく小さな炎症でも感覚的にはもっと大きな炎症ができたように感じるものです。
口の中の違和感を解消しようと無意識のうちに歯を食いしばってしまいます。
どんなときにおこる?
特に眠っている間はその違和感を何とかしようとさらに強く歯を食いしばります。
通常上下の歯が接触するのは食事の時や唾液を飲み込む瞬間だけで一日のうちでせいぜい20分程度という短い時間にすぎません。
24時間のうちたった20分程度
これが自然の状態なのです。
食いしばりによって上下の歯が接触し続けるのは、歯にとって大きな負担になります。
普段から私たちは何気なく食べ物を噛んでいますが、この 噛む力=咬合力 は想像以上に大きな力です。
顎がだるい等、何か症状がある場合は食いしばりすぎているのかもしれません。
食いしばり習慣をやめるために自分でできること
寝る前に意識したことは覚えている傾向が強いものです。
例えば「明日は朝から大切な用事があるから普段より1時間早く起きなければ…」
寝る前にそのように思った。
翌朝は目覚まし時計に頼らずに起きることができた!という経験はありませんか?
脳は寝る前に意識したことを一晩中ちゃんと覚えています。
目覚まし時計の鳴る前に目覚めたりするのはそのためです。
この脳の性質を利用すると、寝ている間の食いしばりや歯ぎしりを軽減できます。
方法は簡単ですので、以下のことをぜひ続けてみてください。
①口を自然に閉じた時に歯と歯が触れ合っていないことを意識する
「上下の歯と歯は離れているもの。歯を触れ合わさない。」と意識してください。
声に出してみるのも良いでしょう。
②上下の顎の位置を確かめる
鏡を見ながら上下の歯の真ん中を合わせ、下の顎を少し前に出します。
その状態で呼吸を3回程繰り返しながら、鼻で呼吸のしやすい上下の顎の位置を確かめます。
③舌の位置を意識する
舌を上顎の天井につけます。
「舌は上顎の天井についているもの」と意識してください。
④眠る前に意識する
「眠っている間、歯ぎしり食いしばりをしない」とイメージしてください。
はじめは半信半疑だと思いますが、繰り返すことで習慣化するうちに
意識したことは改善されるのだと実感できます。
脳は意外に良い意味で単純なところがあります。
ぜひお試しください。
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